私は正直自分がしっかりしていれば、闇金でお金を借りても大丈夫だと高を括っていました。
それに私は、闇金でしかお金を借りられる所が無かったんです。
お金が足りなくなる時点で、しっかりしてるとは言い難いですけど、闇金についても無知でした。
毎月普通に生活していれば足りるはずのお金が足りなくなったのは、私が府中市で競馬にハマってしまったからです。
そんな時に外れ馬券を手に、帰りの電車賃すらすってしまった私に声をかけてきたのが闇金業者でした。
担保も何もいらないから、免許証のコピーだけで五万貸してくれると言う話に飛びついてしまったのです。
それに、普通なら10日で3割の利子を取るけど、初めてだから10日で1割で良いと言われて得した気分になってしまったのです。
1割って1ヶ月で一万五千円なら、余裕で返せるしと思ったんです。
ただそれを返せば終わった事だったのに、次の週にも競馬に行って負けた私はまたもや借りてしまいました。
それも10万円です。
今度は利子は三割で、それも天引きすると言われたので実際手元に渡されるのは七万円でした。
ここで何かおかしいと気付いた私は、正規の会社員の他にもアルバイトを始めたのですが、利子に追いかけられる返済が始まりました。
働いても働いても、なかなか元金を返すまでに至りません。
それでも利子だけは増やさない様に、ガムシャラに働きました。
途中で闇金業者の人に、もう利子だけで元金の数倍は払っているのだからどうにかならないだろうかと聞いてみましたが、こっちは元金をそのまま返されるより、利子が入る方が見入りが良いと、怖い笑顔で言われてしまいました。
そりゃそうです。
元金を貸して、そのまま返されても仕事にならないから会社がやっていけるはずがないのです。
そんな事も考えずにホイホイ借りてしまった私が悪いのですが、休日にやっていた昼のアルバイトを夜のアルバイトにした事で、無事返済出来ました。
またどうぞと言われましたが、もう借りる事は無いです。