クレジットカードの現金化のような、チケット金融について

チケット金融と聞くと、チケットを金券ショップに持って行って借り入れをすることが出来る金融業者のことを想像する人も多いと思われますが、それほど間違っていないということに関しては初めに言っておきます。

チケット金融というのは、闇金業者の手口の一つとなっていて、闇金業者から受け取ったチケットを指定された金券ショップに持っていくことによって、チケットを売った代金を受け取って、購入分のチケット代金を闇金業者に支払うということが一連の流れとなっています。

チケット代金を支払うということになりますので、利用者の意識の中に「お金を借りている」という意識が薄くなってしまうのがポイントの一つとされていて、実際には多額の金利が設定されている借金をしているのと同じことなのですが、利用者の中では「チケット購入代金を支払っている」という意識が強いために、騙されていることにも気づかない利用者が多いのも問題となっています。

それでは、チケット金融というのが、具体的にどのような手段で利用者に言い寄ってくるのかということについて詳しく紹介していきます。

『チケット金融の仕組みについて』

チケット金融の仕組みというのは、冒頭でも紹介したように、闇金業者から受け取ったチケットを闇金業者が指定する金券ショップで売ることによって発生した代金を受け取るということになります。

例えば、20万円分の新幹線のチケットなどを指定された金券ショップに持って行って、チケットを売ると16万円で売れたとします。

そして、1週間後や10日間後などの決められた期日にチケット代金の20万円を闇金業者に支払うということになります。

この期間を過ぎてしまうと、闇金業者によって激しい追い込みが掛けられてしまうことも多いですので、基本的には利用しないことです。

もう一つのポイントとしては、必ず闇金業者が指定した金券ショップで販売しないといけないということになっていますので、指定した金券ショップ以外のショップに持って行っても買い取ってくれない事が多いです。
このことから、表向きには闇金業者と金券ショップは繋がっていないとされていますが、裏では繋がっていて、闇金業者から直接お金を借りるのではなく、「チケット」というアイテムを経由しているために、お金を借りているという意識をさせないのが、チケット金融の最大の特徴となっています。

『チケット金融で支払われた利息を計算してみると凄い金利になる』

上記で紹介したシステムを、お金を借りている場合で計算してみると凄い金利になります。

上記の数字をそのまま流用した場合でも、20万円の代金を支払うのに、16万円しか受け取ることが出来ず、4万円分が実質的な金利ということになるのですが、これを計算すると借りた金額の20%ということになります。

1週間後や10日間後に借りた金額の20%にも相当する金利を含めて元金を返さなければならないということになりますので、膨大な利息になるということは分かってもらえると思われますが、普通に闇金業者を利用しているのとは違って、チケット代金を支払うという名目になっていますので、出資法には抵触していないということになりますが、原則として違法行為になりますので、脱法行為となり最近では見かけなくなった手法となっています。

『チケット金融とクレジットカードの現金化は非常によく似ている』

ここまで紹介した内容をよく見ると、チケット金融というのはクレジットカードの現金化と非常によく似た性質を持っているということが良く分かります。

クレジットカードの現金化というのは、クレジットカードにあるショッピング枠を現金化するというものになっていて、クレジットカードを現金化してくれる業者から100円もしないような商品を10万円または20万円といった金額で購入する代わりに、クレジットカードの現金化をしてくれる業者から購入代金の90%~95%程度を現金で受け取るというものになっています。

当然の事ながら、クレジットカードの現金化についても違法行為となっていますが、詐欺のように、現金が振り込まれなかったという場合に発覚するケースが多く、実際に現金が振り込まれているケースでは利用者も通報するケースが少ないために、発覚することがないとされています。

このように、クレジットカードの現金化とチケット金融というのは、非常によく似た性質を持っていますが、1点だけ大きく異なるポイントが存在しています。

それは「金利」という問題です。

クレジットカードの場合は、使用しているクレジットカードのプランなどによっても大きく異なってしまいますが、最大で年利18.0%となっています。

しかし、チケット金融の場合は、1週間または10日間ほどで借りた金額の2割程度を上乗せして返済するということになりますので、実質的な金利に計算するとクレジットカードの現金化と比べて数万倍~数十万倍ということになってしまいます。

また、チケット金融に関しては、一度に完済しないといけないために、クレジットカードの現金化と比べると非常に危険な状態となります。

チケット金融もクレジットカードの現金化も違法行為となっていますが、チケット金融のほうが明らかに利用者にとってのデメリットが大きくなっていますので、十分に注意するようにしてください。