借金問題を解決してくれるという整理屋の悪質な手段とは?

整理屋という言葉を聞くと、「廃品回収の業者かな?」と思うのは一般の人です。

そして、整理屋と聞いて、嫌なイメージを持つのは、昭和の時代を過ごした経営者の方や、個人事業主の方でしょう。

整理屋というのは、簡単に言えば「資産や負債を整理してくれる業者」のことを指していて、これだけなら何の問題も無いかもしれませんが、肝心なのは、「実際には何もしてくれないことが多い」ということが特徴になっています。

それでは今回は、整理屋の実態について詳しく紹介していきます。

『整理屋って何をしてくれる人なの?』

整理屋というのは、冒頭でも紹介したように、名目上では「資産や負債の整理をしてくれる業者」となっています。

しかし、実際には「お金を騙し取る詐欺師」というのが正当な判断だと思います。

主に、整理屋が現れるのは個人ではなく法人や個人事業主を対象にしていることが多く、特に「今にも潰れそうな零細企業」をターゲットにしていたことが挙げられます。

一般の方が勘違いしていることの一つに「倒産の方法」というものがあります。

倒産というのは、事業が立ちいかなくなったという状況になり、資産が無くなってしまった状況を指すものだと思っている人が多いですが、倒産してしまった場合でも、債権者や債務者によって争われることになります。

債権者にとっては、少しでも債権を回収しないと、自社の資産が無くなってしまうことになりますので必死になり、債務者にとっては無い袖は振れないとばかりに、債権の支払いを突っぱねることも多いです。

そこに登場するのが整理屋となっていて、整理屋に依頼することによって、整理屋が債権者と債務者の間に立って、仲裁をしてくれるというものになっていて、債務整理や借金問題を解決してくれるということになっています。

そして、当然の事ながら、債務を整理してもらうことになりますので、実印や通帳を預けることになるのですが、預けたまま何処かに消えてしまって、そのまま帰ってこないということも多く、中には、社内の設備や機械などを売却して債権者に支払いをする予定だったものが、売却後に通帳からお金を引き出して、そのまま消え去ってしまう整理屋も多く、整理屋に依頼してしまった人は、何も無くなってしまった会社を見て途方に暮れるというケースも少なくありません。

『整理屋は個人を相手にすることも多い』

最近では、整理屋という言葉も耳にすることが減ってきましたが、整理屋というのは経営者や個人事業主だけではなく、債務整理を希望する個人をターゲットにしていた時期もありました。

債務整理というのは、個人でも行うことができることが挙げられますが、一般的には弁護士や司法書士の方に依頼することが多いと思われます。

しかし、弁護士や司法書士に依頼をすると高額な料金を支払わないといけないために、安く債務整理をしてくれるという整理屋に依頼することも多かったとされています。

このような場合に、整理屋が行うのは、債務者から依頼料を受け取るということと、依頼料を受け取るにも関わらず、債務整理を行わないか、行ったとしても杜撰な方法で行うということが挙げられます。

そして、債務整理をする際に、貸金業者への借金を返済することになりますが、実際に返済をしていた金額よりも安い金額を提示して、「この金額で返済を代行します」という口実で支払いを要求してくる整理屋も多いです。

このような場合に、実際に貸金業者に返済をされることもなく、整理屋の財布の中に仕舞われてしまうために、債務が無くならずに、利息が積もってしまうということになります。

また、このような状況で整理屋に頼んだ場合でも貸金業者からの取り立てがストップすることもあります。

これは、整理屋と提携している悪徳弁護士や悪徳司法書士が貸金業者に対して取り立てを中断する申し立てを行いますので、一時的に取り立てが無くなることになりますが、この取り立てが無くなった状態のことを「返済が完了した」というように騙して利用者からお金を騙し取るのが整理屋の特徴になっています。

『整理屋が悪徳業者かどうかを確かめる方法について』

整理屋の中には真っ当な仕事として、債務整理に取り組んでくれている人も存在していると思われますが、悪徳業者の可能性も高いために、一般人からすると、どっちなのか分からなくて不安になるというケースも多いです。

そのため、整理屋が悪徳業者なのかどうかということを確かめる方法については、「整理屋が法律家の資格を持っているのか?」ということが一つの基準になります。

法律家自身が持っていなかった場合でも、法律家と提携している弁護士や司法書士と面会をすることによって、どのような状況なのかということを確認することが大切です。

そして、こちらも大切なことになりますが、基本的に通帳や印鑑などの資産を管理しているものに関しては、全て自分で管理をするということを徹底してください。

こちらも日本人の特徴なのかもしれませんが、一般的に債務整理をしなければならないような状況というのは、精神的にも肉体的にも追い詰められている状況となりますので、「早く今の状況を脱したい」と考えている人が多く、整理屋のように任せられる存在がいれば、全てを任せたいと考えてしまう人も多いです。

しかし、信じた結果、騙されて借金だけが残されてしまうと意味がありませんので、自分でした借金問題は全て自分で解決するようにしてください。