■ソフト闇金がはびこった背景
民主党が政権をとった時に行われた貸金業の総量規制により、当時より懸念はされていたのですが、いわゆるサラリーマン金の借り換えができなくなった人が大量に生まれることになりました。
特に収入のない主婦にとって、率直に、この規制は「悪法」であったと言えるかも知れません。
背に腹は簡単に取って変わりません。
当時の野党(自民党ほか)の予測通り、そこにつけこむ不法金融業者、いわゆる闇金がはびこることになったわけです。
それが「ソフト闇金」と言われるものです。
それまで、裏でコソコソと生き延びていた闇金融業者にとって、この法律は顧客倍増の「待ってました」の法律となったのですから。なんとも皮肉な話です。
しかも、当時の野党が反対した通り、まったくもって目に見えていた結果と言わざるをえません。
■金利は20%?年利に直すと500%以上にも
名前には「ソフト」がついていますが、結局は闇金にちがいはありません。
それまでの闇金と異なるのは、主婦をターゲットしたために、対応が「ソフト」になったため。
貸し付けも、それまで1週間であったものが2週間に延びた、とか、その程度のことです。
金利は、2週間で10%~20%。
なんだそれなら、規制前のサラ金の29.8%と変わらないではないか、などと思ったら大間違い。
その手口はというと、サラリーマン金融の29.8%は、あくまで年利であって、たとえば10万円を1年借り続けた場合に、¥29,800の金利がつく、というもので、計算方法そのものは銀行等の金融機関と同じです。
が、ソフト闇金の言う2週間で20%は、そのまま10万円に2週間で2万円の金利がつく、という計算。ひと月で4万円、1年間なら48万円(金利だけを支払った場合)、年利にするとなんと480%にもなるのです。
しかも、次々に業者間で借り換えを行わせるため、実質は国で禁じている複利方式(金利に金利がつく雪だるま方式こと)。
もっとも、違法業者ですから、法律など関係ないのでしょうが。
■即日融資に飛びつく被害者
それでも、それまで辛うじてサラ金で借り換えを行っていた主婦などにとっては、他に手だてがありません。
ソフト闇金は、基本、ブラックになった方にも、自己破産した人にも融資します。
しかもそのほとんどが「即日融資」。
ただし、取り立ては、かつての闇金のそのもの。「ソフト」ではありません。